兵庫県議会議員みなみ但⾺選出 藤⽥ 孝夫(ふじた たかお) オフィシャルサイト

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藤田孝夫

フランスの少子対策&子育て支援

 

現実的選択をするフランス人、日本と比べれば子育て支援は似ていても少子対策は全く違う。先の代表質問でも触れたが、子育て支援と少子対策とは似ており時々混同するが、根本的には違う。少子対策とは人口を増やすための施策であるのに対し、子育て支援は直接人口増を期待する施策ではなく、就労者所得が減り共働きを余儀なくされる所帯や、低所得所帯の子育支援を社会で支えようとするものです。

日本、特に私らが関わる少子対策では子供の数は増えない。戦後子供の数を増やし、ユーロ圏で圧倒的に少子政策を断行し合計特殊出生率が2・0を超えたフランスではどんな政策を打ったのか? 国策と基礎自治体、介在する県・州とを出来れば分けて考察するのが、今回の視察の目的の一つです。

以下は訪問し意見交換したパリ郊外、ランブイエ市の施策と関連データです。

・人口25000人、就業率男性:90% 女性:79% 

・共働世帯の77%が子持ち、単親世帯は23%、3人以上の大家族28%

・市職員600人、男女比50:50、内100人が子育て関連課 

・出産後15か月の有休休暇、3歳までの家庭保育支援

・預かり施設の充足率100%

・低所得家庭でも同じ育児サービスが所得に比例した費用で受けられる

・国家挙げての人口増施策は、3人以上の子育て家庭に対する所得税の実質免除

・自治体は育児支援策を県・州の助成資金の裏付けを得て実施

・子供への支援は納税額とは関係なく一定、低所得者対策も充実

・一方で消費税率19・6% (穀物・食材は5・5% 新聞雑誌2・2%)

・旧植民地支配のアフリカ・アラブの移民の定住化と高額所得者の海外国籍取得

・教育の荒廃(フランス語を話せない親とフランス語教育、低い平均学力)

以上から確かに人口は増え続けている。多子所帯への優遇税制や、低所得、単親世帯への子育て支援などにより、人口問題は成功。子育てに係る女性(夫も含む)への再雇用や出産有休、育児手当等現場施策の充実は職員の半数が女性であるがゆえに行き届いた施策が実行されている。また市・県も議員定数を男女半々にすることが定められている事も好影響を及ぼしているのかもしれない。

しかし課題も多い、特にフランスが目指した、~国力とは人口である、子供は国のもの、国が育てる~との認識は、ヨーロッパ利権争いでドイツと競り合ってきた事への対策の一環であるようです。ある意味正しいかもしれないが、それは人口プラス教育が国力であり、母国のために国民の力が結集できればの話です。現在のフランスは、低所得・移民天国との見方は国内でも根強いと聞く。実際のところ高額所得者への実質所得税率は75%まで上がり、彼らは国籍を近隣諸国(ユーロ圏)に移し始めていると聞く。

 

さて歯止めをかけた人口減少と充実した子育て支援、日本でも未だ実現出来ていない事をいち早く実現したフランス。少子化を乗り越えた先に何を目指すのか? 私は教育だと思いますが、ヨーロッパの宗教戦争の根は深い。

 

 

 

 

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