令和3年度予算審議 県土整備部
昨日で東日本大震災から10年が経過しました。26年前阪神淡路大震災を経験した兵庫県への期待の大きさは、現地に行くたびに復興に携わるスタッフや避難されていた人達から感じました。また現地がどう変わったか見たくなっています。被災地の人々にとって兵庫県は、少し前に同じ経験をしたが復興を成し遂げた所、被災の記憶が未だ風化していない所だと思われたのでしょか? 東大名誉教授・御厨貴氏は10年の節目に以下のような趣旨を述べられています。「東日本大震災から5年後には熊本地震、そして毎年のように自然災害は大型化し日本列島を襲っている。阪神淡路大震災の経験者が東日本大震災の復旧復興に従事し、そのまた経験者が熊本に入る。災害復興経験者をボタンティア精神でつなぐ構造が見えてきた。 非常に学術的、美しい分析です。一方で災害時に慄き切迫した皮膚感覚はいつしか日常性の彼方に追いやられます。その象徴は東北で波に洗われ台地から出てきた災害の恐ろしさを伝承するため建立された多くの碑文です。
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激甚化する災害に備えるため今、建設すべきは碑文ではなく防災工事です、復旧復興記憶は人から人への語継ぎに加え、恣意的変更できないアーカイブです。冷徹に聞こえるかも知れませんが、今この部屋にいる私達は感傷に浸る気持ちを押さえてでもしなければならないことがあるからです。
1 第4次山地防災・土砂災害対策計画について(砂防課)
近年、気候変動の影響により災害は激甚化・頻発化しており、全国各地で土砂災害が発生しています。令和2年においても、熊本県をはじめ千件を超える土砂災害が発生し、数多くの人的・家屋被害が生じている。
土石流やがけ崩れの発生を事前に予測することは困難であり、事前防災の備えは非常に重要です。
国では気象災害や南海トラフ等大規模地震に備え、防災・減災、国土強靱化の取組を加速・深化させるため、令和3年度から7年度までを5カ年加速化対策の期間として重点的・集中的に対策を講ずることとされました。
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一方、私の地元の但馬は、砂防の神様と言われる赤木正雄博士、測量の神(仏) 島田道生 生誕の地であり、防災に対する意識が高い地域です。砂防堰堤や急傾斜などのハード対策は確実に地域の安全度や防災力を向上させることから、施設整備の要望が数多く寄せられています。
現在、県下で砂防堰堤等のハード整備が必要な箇所が約6,500箇所残っているが、本県では、平成21年から「山地防災・土砂災害対策計画」を策定し、県土整備部、土木事務所の職員が砂防堰堤整備等の土砂災害対策に計画的にまた懸命に取り組んでいただいています。
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平成30年度から令和5年度までの第3次山地防災・土砂災害対策計画ではなんと計画期間を繰り上げ完了。新たに令和3年度から7年度の5か年を計画期間とする「第4次山地防災・土砂災害対策計画」を策定されました。引き続き土砂災害対策に強力に取り組み、県土の強靭化を進め県民の生命と財産を守るとされています。
第4次計画では、近年の土砂災害の状況を踏まえどのように対策に取り組んでいくのか伺う。
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東海・東南海地震では揺れと津波対策が重要です、一方急傾斜が多い中山間地では土砂災害が一番の脅威です、多く被災経験を持つ中山間地では事業に対する理解度協力度高く、要望も多いが事業へも協力的と聞きます。
限界集落をとっくに超えた山村の自治会長は次の時代に何が残せるか考えると、仕事でもなくお金でもないから後継者も無理かも知れない。つまるところ適度に手の入った山河かな?さくらを既に何百本も植えています。 そんな山村を守ることにも繋がる事業としても きっと意味ある励ましであり人名を守る山河守る事業として 推進してください。
2 県民まちなみ緑化事業について(都市政策課)
平成18年度に導入された県民緑税は、来年度より4期目を迎えます。都市の緑の保全・再生のための事業として、住民団体などにより実施される植樹や芝生化などの緑化活動に対して支援する都市緑化事業での平成18年度~令和元年度の14年間の事業実績は、補助件数2,749件、樹木本数88万6千本、芝生化面積80haと聞きます。
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広場など緑は少なくとも5年間維持管理して欲しいとのことであるし、補助要件も工夫がされ専門家による講習会や維持管理に必要な備品なども助成対象とするなど事業推進に配慮されてきました。対象物件がマンションの共用部分の芝生化や植栽、自治組織管理地の植栽であったりする等、少さな緑化が多く見られます。市の管理物件である市町公園や市道や県道、道路沿いの歩道、路側帯部分については其々所管する、市町、国県の超過課税ではない通常財源で整備すべきものですから県民まちなみ緑化事業が全ての都市緑化事業を担っている訳ではありません。また超過課税ゆえの視線の厳しさと同じだけの特徴的事業への期待も高いと思われます。
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先ほども述べたように、大規模公園工事に充てることは出来ません。しかし緑化事業数は2,749件ですから関わった人や、関連イベント? に参加した延べ人数は相当多かったのではないかと思われます。そう考ると本事業の最大効果、狙うべきことは、県民意識の中に生まれた緑化体験を通した緑への正しい理解を広める事、ではないか?
街路樹は夏の木陰を作り、直射日光を遮り、葉の気化熱は空気の温度を下げています。ただ冬は落ち葉となり当然街路に散乱します。 管理が悪ければ夏は道路の見通しを悪くし、交通安全の観点より指摘を受けることもあります。ヨーロッパでは冬に太陽光の照射角度が低いこともあり小雨に濡れた落ち葉を黄金色に輝かせ、雪に覆われる前の晩秋を象徴する色彩として親しまれています。
緑化事業を通して緑に対する県民理解はどう進んだのか? 整備済み箇所の維持管理はどれくらいが継続されているのか? 県民意識の変化について伺います。
3 但馬地域の地域公共交通計画策定について(交通政策課)
人口減少に伴い移動人口が減少し、公共交通利用者が減ることになる。不便だから自家用車を利用すると益々、その傾向は顕著になり、公共交通は衰退していく。
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自家用車を運転できる人にとっては、帰宅途中の飲酒ができないことぐらいが課題認識だが、運転に支障を来す高齢者や運転できない児童生徒などへの対応をどうするかが地域の関心でした。近年交通機関の環境負荷も課題として対応を迫られ、中山間地固有の課題ではなく全県課題となりまます。
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公共交通が限りなく衰退し、瀕死の状態をギリギリ公金で維持している地域、例えば養父市では地域における移動手段確保を進めるべく、路線バス、タクシー、自家用車に加え、新たに自家用有償旅客運送「やぶくる」事業がスタートしました。しかしいよいよ地域住民の代替交通機関が見つからず深刻さを認識したこと、また大学の誘致や、交流人口の増加などで、新たな需要が創造できる期待が高まったことで前向きに仕組み構築の可能性が生まれています。
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令和元年度の但馬地域の観光客は約940万人で、豊岡市が行ったアンケート調査によると、城崎温泉への移動手段は約80%が自家用車であり、バス・鉄道は約 20%となっています。 世界に開いた・開こうとしている昨年実施の豊岡演劇祭、コウノトリ未来・国際かいぎ、ユネスコ認定の山陰海岸ジオパーク、日本遺産認定の銀の馬車道鉱石の道、日本農業遺産認定の但馬牛システムなど、いよいよ海外を含め広く全国からの誘客を期待できる交流観光コンテンツの成功には空港との連携強化やJR駅からの公共交通整備、また既存の交通資源を有効活用し、誰もが使いやすい交通ネットワークが必要です。
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令和3年度事業で但馬地域公共交通計画の策定が2億2000、2千200万? 大変失礼しました・ええー220万円計上されています。法定協議会による計画策定に向けて、県、但馬5市町、運輸局、交通事業者等が議論するとされています。まずは路線バス、コミバス再編計画とされていますが、今申し上げた経緯と現状を踏まえ、現状を維持するための広域交通計画もありがたいのですが、出来れば更に先進的な技術を積極的に活用する計画であって欲しいと願うのですが、所見を伺います。
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自動車免許取得・自家用車購入・税金保険・車検整備費・燃料オイル代、駐車代、車庫などトータルコストで一度計算すれば、その費用の一部を出資するだけでローカル公共交通網が完成できるかもしれない。問題は負担と受益のバランスだが、ウーバーシステムなどアプリ・ソフトは決済もキャッシュレスですから現金
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公共交通とはそもそもそんな市民合意を前提に投資と運用が始まったもののハズ! ~既存交通とあまり競合しないことを前提にスタートしたが、競合しないようでは成功と言えないかも知れない~ シェアを組み入れた新たな公共交通への実験が始まった!!
法田 有田 贈り物はありません。