令和3年度予算審議 警察署再編
1 安全のための組織改編について
兵庫県で最も安全な町は佐用町、二番目が養父市、三番目が朝来市、警察官一人当たり刑法犯認知件数や人身事故発生件数ではそうなっています。 一番危ない地域、一番暇な警察署は敢えて言いません。警察再編の資料では現在、警察官一人当たりの対応件数が約8倍の開きがあることが書かれています。
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ストーカー・DV、各種虐待等の人身安全関連事案、特殊詐欺、サイバー犯罪、といった新たな脅威に迅速に対応するためには、危険な地域の警察機能を今より充実させながら警察官一人当たりの負担を軽減することが急務です。そして高速道路の延伸や情報ネットワークの発展で生活圏域が広がった(安全な地域)人口減少地域では小さな警察署を分散して多数配置するより、広域エリアに対応できるある程度の専門性を併せ持った警察機能を集約することも大切であると思えます。
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例えば養父市と朝来市では住民台帳等のPC、ごみ処理、そして消防署は二つの市で一つの広域事務組合を創り運営しています。警察と関係の深い消防活動では消防士や消防機材を有効活用するため管理総務人員の削減と限りある機材の有効利用を実施し県下の10%に当たる広域を所管しています。
今回の警察再編でも広域エリアの平時の安全、緊急時の迅速な対応など一警察署のエリアに留まらない、より広域の範囲で活動できる組織体制が必要であると思われます。広域パトロール、広域での検視、防犯カメラ画像の収集、山岳救助や海岸線からの侵入事案など広域多自然地域に求められる警察機能について新たにどんな体制で安全を維持されようとしているのか伺います。
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多自然地域の警察官は仕事をしていないのか? 若い夫婦で来ている駐在署の警察官、但馬の駐在になって子供が生まれた、子供のアトピー 不登校が治った、子育て環境、住民のふれあい、夫婦仲が良くなった、子供の登下校の見守り、近所付き合。警察理解
事件事故を解決する、犯人を追い詰める能力も当然必要ですが、警察官によって守られている住民はどんな生活をして何を感じているのか? 小さなエリアで少し深く感じる経験は、警察官としての技能知識他能力を積み上げる土台を作る上で必要ではないかと思えます。例えば臨床研修医が多自然地域の総合診療科で、医者の専門技術力向上以前に、病気に向き合うのではなく人の幸せに向き合うことを学ぶように。 定期的な地域替えは必要ですが・・・
2 許認可事務の効率化について
次は警察窓口で行っている許認可事務について伺います。
警察署の窓口業務は犯罪被害者となった場合の相談、被害届、落とし物、銃刀法関連、振り込め詐欺、覚せい剤・拳銃、暴力団、風俗営業、運転免許、車庫証明、道路使用等に関する手続き、行方不明者、など多岐に渡ります。
例えば令和2年中のデータによれば、交通関連許認可事務取扱件数で最も多い生田署は約8万3千件ですが、その約9割は駐車許可申請であり、葺合 須磨 神戸西など都市部の人口密集地に多い傾向があります。一方、多自然地域(今回の再編地域)では車庫証明受理件数が多くを占めており、総受理件数の約半数にも及ぶ署が多いという地域性があります。
そのことからは都市部では警察の処理能力が課題ですが多自然地域では処理能力ではなくて署までの住民移動距離(時間費用)が課題となります。統合再編における許認可事務についての課題認識と改善方法について如何お考えか伺います。
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デジタル化で入力しなくても申請書類(これが既にデジタル化)それの確認作業(本人かどうか・履行されたか・終了後問題はないか) フォーマットが統一され互換性があれば集計作業は予想されるフィルター掛けでもう出来たようなものです。(理論的には)
ライブ110番 昨年開始以来 実績と 効果 仕組みの県民周知 費用負担は本来通報者であってはならない、フェーク情報の見分けが出来るアルゴイズム完成に即して携帯キャリアの協力や国一括予算化で通報者負担を無くし、検挙率・解決率アップに繋げて欲しいと思います。
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3 交番・駐在所のネットワーク化について
専用回線は警察署と多くの交番にはあるが、一部の交番と駐在所にはない。
事故報告などは回線がつながっているPC設置の警察署まで警察官が出向いて本部に送るのだが、その移動時間は、例えば熊次駐在所から養父署までは車で片道40分往復80分程度かかる。また報告データを事前に作成した場合、USBメモリーなどのメディアに保存したうえで本署のPCで開いてデータを送っている。運ぶ時にUSBメモリーを紛失する危険性もある。
そもそも今回の再編は事務管理部門の統合による現場対応力の比率を上げることだが、単純に移動時間が長ければ現場警察官の増員努力をしても実質的に現場対応時間は改善しない。移動時間を短くする、この場合専用回線を引けばこの時間を有効に使えることになる。特に人口密度が低く広域な管内を抱える地域では、警察官の配置数に比例しない、安全確保を目指す上で必須だと思える。県下全域での交番・駐在所のネットワーク化についてどのように取り組むのか伺います。
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派出署全てネットワーク化しろとは言ってないのです。中山間地なら谷筋、一定距離ごとに整備するのが良いと思います。
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まとめ
安全な町を創るのは地域自治体の使命で地域安全大会や防犯大会など警察活動への理解促進を含め実施されてきました。 そんな意味からは佐用、養父朝来は誇るべき安全な町を創ったと胸を張るべきですが、今回の警察署再編については特に首長・議会からのみですが一部大きな声が上がりました。不思議なことです。
人口減少に伴い人の往来が減り活力がなくなった結果として犯罪も減り同時に安全な町になってしまったと思っているのならば、警察官の人数も地域活力の内 再編には当然反対となります。今回の警察署再編は安全な広域エリアを対象とされましたが、小さな署を単純に近隣署にくっつけるだけでは三年後の派出署も含めた二次改編や、その次の改編にも影響することから、万全を期して良い結果と住民からの高評価を得て欲しい。
答弁を聞いて実のところ再編推進派であった私ですが、少しホットしています。目指すところは、警察官の人数に比例しない地域安全をどう作るのかです。 最適人員配分は組織改編と技術革新の活用で警察官一人一人の実質能力アップに繋がります。そんな仮説を元に再編警察管内で検証を繰り返し 全県に波及させて欲しいと思います。 もちろん議会の協力もお約束させていただき質問を終わります。