企業と地域の良好な関係1
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県議団産業労働部会の調査、今回は淡路島です。淡路島に本社を移したプライミクス㈱と人材派遣・育成のパソナグループ運営のニジゲンノモリ、ハローキティーショーボックス・サーカス、のじまスコーラが調査対象です。
プライミックス㈱
オーダーメイドのミキサーを創る会社です。混ざりにくいものも均一に混ぜる高速ミキサーの需要は食品・化粧品・薬剤・燃料電池、またミキサーの洗浄、メンテ、パイプラインや容積式モーター、その他技術支援が業務。工場内には自由に使えて企業秘密も守れるラボもある。
■何故淡路に機能を集約されたのか?
社員の快適な暮らしの土台となる気候風土(豊富な食、温暖で関西圏と距離が適当、豊かなアウトドア・スポーツリクレーション環境)これからの企業は300年先も快適に社員が暮らせる地を選ぶべき、ワークライフバランスの根本的解決として行政と地域に企業が加わり社会的責任を果たす。
(代表取締役 古市 尚)
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■具体的取組
- 景勝地に社屋向上と社員寮、レクレーション棟を整備
- どこからもでも海が見える配置
- 自転車部、ゴルフ練習場、ビリヤード、カラオケ、シアター、食堂、洗車場、バーべキューハウスなどを整備
- 社員食堂は地元食材80種を使用した自然素材をメイン使用し好評
■会社沿革
- グループ売上115億円(プライミックス85億円)
- 従業員300名 利益率6%
- 淡路移転での投資額60億円
- 来期採用計画は新卒10名
■淡路移転の評価
- 都市圏では困難だった国公立大学卒者が獲得できる
- 淡路人は穏やか、(意欲的でない?)安い家賃(同居近居)温暖で衣服費がかからない、自家野菜や魚類など食費も格安。
- 大阪、滋賀からの通勤者もあり(宿泊可能で週末帰省者あり)
■私見
社業の特異性から取引先商品開発製造に大きく関わることから安定した経営。
社員の暮らし方に深く関与し、お互い(労使関係と地域関係)の満足度を上げている。島外通勤者も週末に会社周辺でアウトドア体験ができる環境を整備。三大都市圏から本社機能を兵庫に移転した場合に様々な優遇が受けられる産業立地条例が適用されている。既に工場誘致で大量雇用が生まれるケースは稀です、生産部門は限りなくロボット化されています。企業立地の新たな視点はワークライフバランス、時短に留まらない社員の生活満足と仕事満足の両方が大切です。だとすればテレワークに限らずとも企業を呼び寄せる環境は淡路以外にもあるはず。
多自然地域の豊かさは人にとって快適、その快適さが社員の健康、子育て、プライベートの豊かさにもつながると判断した古市氏が手狭な大阪を離れ淡路を選んだ。
工場内の配置、採光、見学コース、遊びの工夫なども随所に見られた。これらは都市圏では得られない。