湯村温泉を舞台として山陰海岸ジオパーク国際学術会議が開催されました。丁度9月に4年目の点検を受け、鳥取西部地区へもエリアが広がって再認定されたお祝いムードの中、基調講演にはマレーシアの大学に籍をあくイブラム・コモオ氏とリサ・キング氏が、国内招待講演としては首都大学東京、菊池俊夫氏が登壇されました。
興味深かったのは、リサ・キング氏のブランドマーケティング論と菊池氏の秩父ジオの取り組み紹介でした。ブランドマーケティングは流通業の基本的な顧客への広告、ロゴマークのイメージ(マインド)戦略と広報活動についての話でした。
では菊池氏の話のポイントを少々・・・・
地域振興とは何か? 二つの振興があり一つは経済的利潤をもたらす振興策、これにはお金、生産、雇用、人口などが増大していく。二つ目は非経済的利潤のある振興策、これは安全、安心、コミュニティーが増大するがお金や生産が増えることは無い。現代のインフラ整備された時代では、モノチャンネルとマルチチャンネルが存在する。
■モノチャンネルとは、たとえばインターネットのように点と点、個と個をダイレクトに高速で結ぶチャンネルのことです。スピードあり効率的で即効性があるチャンネル形態ですが、反面希薄、非持続という側面もあります。
■マルチチャンネルとは、点と点の単一ネットではなく斜め横の繋がりが複雑に組み合わさったチャンネルです。非効率で浸透・認知に時間がかかります。反面持続的な面があります。
どちらが優秀とかいう問題ではありませんが、グローバル化はモノチャンネルで発展してきた。我々も様々なメリットを享受している。一方地域づくり、地域力(ジオパークなどは地質に加え地域の暮らし伝統、文化がテーマ)はマルチチャンネルで進めるべきものだろう。
◆オーストラリア:カナウィンカジオパークは東西350キロ南北120キロと広大で、壮大な自然のパノラマだが、観光客への見せ方が偉大な自然をスポットで紹介するだけなので地域格差が生じている。いわばモノチャンネル的発想のもとに運営されているジオパークともいえる。
◆秩父ジオパーク:地質年代別にエリア分け、自動車での周遊コース、バスコース、徒歩散策コースなど4つのコース設定とモニター制度でコース設定を評価検証。さらに若き頃訪れた宮沢賢治にちなんで「宮沢賢治 青春の・・・読んだ詩コース」「人気漫画の舞台をマップで散策・・・」など特徴的でキャッチィーな企画でジオパーク無関心世代の若者を取り込む。
観光のタイプとは従来型が、発地型観光:出発地=企画販売元で旅行会社が主導する観光 着地型観光:もうお解りですよね!