成人式から二十歳の集いへ
■
18歳成人に法律が変わり、20歳を機に開催していた成人式は名所変更を余儀なくされた。「二十歳の集い)なんか軽い感じ。そのうち慣れるのだろうか?それとも次第に消えゆくのか? しかし開催時期はそのまま正月明け、いっそ帰省している期間の最後とかを休日にするとか方法もあったのでは・・・
さて二十歳の皆さんへのメッセージです。
__________________________________________
本日、人生の大きな節目・二十歳を祝う集いに参加される皆さんおめでとうございます。
新成人となった今、今まで育てて頂いた家族・先生方への感謝と自立していく覚悟をもって参加してくれたことは既に立派な大人の行為です。自覚が無いまま来た人もこの際、何かを掴んで帰ってほしいと思います。
■
皆さんはクルマを所有していますか? パソコンは? 高機能スマホはもっていますかね? それを持っていることにどれくらい歓びを感じているでしょうか? 貴方が持っているモノなら何を対象にして良い、ブランドの靴・衣服でも歓びの度合いを0から10まで点数を付けてみてください。
■
心理学者ダニエル・カーネマンは車を所有している人達にこの質問をし、持っている
車の価格と
答えを比較研究しました。すると「車が高級であればあるほど所有者の歓びも大きい」という結果がでました。大型ベンツの持ち主の歓びは、トヨタプリウスを持っている人が感じている歓びより約50%大きかったそうです。 次に同じ人たちに「前回車を運転した時 運転中にどれだけ歓びを感じたか?」を聞き所有者が付けた点数と車の価格を比較調査しました。
■
この質問での結果は、車の価格と答えに
全く相関関係は無く、歓びを感じる度合いは共通して低かったそうです。
車の運転中は前を走る遅い車との距離、時には後ろから煽ってくる車の事など道路状況のこと、向先のこと、スケジュールのこと等 多くのことを考えながらも交通状況判断を迫られる。 車のことだけを考えているうちは歓びを感じるが、その時間はごくわずかです。車に限ったことではないお金を出して手に入れたモノ全てに共通する心理だそうです。
■
モノを所有する歓びは消える! ところが時間がたっても経験した歓びは消えません。すばらしい経験、特に達成したその喜びは頭の中にも心の中にも留まり続けます。だからモノを買うよりも何かを経験することに投資した方が良い。若く体力のある皆さんならそんなにコストはかかりません。そして大学での勉強や仕事も経験の一つです。
■
グローバル化、情報・モノが世界共通化しつつあります。その世界共通のプラットフォームの中では、どれが一番か? どれだけ高額か? どれだけ大きいか立派か? 比較は簡単です。
大きなもの・比較優位性を目指すことは否定しませんが、人の幸せ、豊かさの本質ではないように思います。
■
但馬の人口は昭和30年代で26万人、今15万2千人です。町が小さくなって弊害も出てきています。しかし但馬固有の小さいけれど沢山ある資源の価値は逆に高まっています。例えばコウノトリに象徴される有機のお米・田園風景、美しく豊富な水、日本酒、但馬牛、朝倉山椒、世界ジオパーク認定の山陰海岸、日本遺産の明延鉱山・中瀬金山、生野銀山・神子畑選鉱場、竹田城跡、これらの映像コンテンツは広く世界に広がっています。
■
豊岡に開学し3年目を迎える県立の芸術文化観光専門職大学では、全国から意識の高い学生が、全国に多くある田舎の発展可能性を芸術文化や観光ツーリズムに見出そうと集まり、世界的な指導陣も加わりそのコミュニティーは拡大し続けています。この田舎にまさかの4年生大学が躍進中です。
■
都市化していない事こそが故郷 養父市の特性で、そのことを海外も含め多くの人達がもっともっと知りたがっています。偶然にも私達が持つ此処に生まれたことの成果であり、何処で暮らしていても、どんな職業についたとしても生涯変えようがない私たちの故郷です。
■
若い皆さんGAFAなど一つのプラットフォームに収まることなく、プログラムされたAIにはできない、若者特有の感性の豊かさを更に伸ばしながら、自分自身の言動に責任と説得力を持つ素敵な大人になって下さい。若者に期待される未来を切り開く大きな力に私達現役世代の夢を重ねながら新成人へのお祝いと致します。 二十歳へのステップアップおめでとうございます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・