兵庫県議会議員みなみ但⾺選出 藤⽥ 孝夫(ふじた たかお) オフィシャルサイト

特集

藤田孝夫

日本独立~サンフランシスコ講和条約~

現在、我が国においては、8月15日の終戦記念日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」として閣議決定し、毎年、政府主催の戦没者追悼式を開催し、国民の黙祷を勧奨するなど、国民の間に定着しています。
一方、「サンフランシスコ講和条約」が発効して、アメリカをはじめとする連合国諸国による6年8ヶ月に及んだ占領状態から解放され、独立国家として主権が回復した日については、国際法上、各連合国による“統治状態”が正式に終了し日本人による新たな建国が始まった日と言えるにもかかわらず、終戦記念日と比べて国民に定着しているとは言えません。

2600余年に渡る我が国の歴史の中で、地理的に極東アジアの島国である日本は海外から侵略されることなく、一国完結型の経済・文化を育み、限られた資源の活用方策から足を知り、知恵の文化を高め、勤勉にして和を重んじ、人と人の繋がりにより到達できる高みを知る世界に誇れる品格と人格を育んできました。
駐日フランス大使を務めた詩人のポールクローデルは、太平洋戦争の帰趨のはっきりした昭和18年にパリでこう言いました。「日本は負けるだろう。日本人は貧しい。しかし高貴だ。世界でただ一つ、どうしても生き残ってほしい民族をあげるとしたら、それは日本人だ」と。
二度の大戦を経験したことへの政治的判断やイデオロギーを様々論ずる以前に根底の国家観として、長い日本の歴史で唯一主権を奪われていた日本が、苦難の占領期を経て、真の意味での独立が実現したのが4月28日。以後、驚異的な経済成長を成し遂げて、一気に世界第2位の経済大国に駆け上がり、日本はあらゆる面で豊かな国となりました。

しかし今また日本を取り巻く国際環境は、講和条約の発効当時に匹敵するほどの時代の転換期の只中にあるといえます。
昨年から今年にかけ、領土をめぐって日本の主権が脅かされる事態が相次ぎました。講和条約は、日本の領土についても規定しています。中国が尖閣諸島を、また韓国が竹島の領有権をそれぞれ主張していますが、講和条約を読めば、日本がこれらの島々の主権を放棄していないということは明らかです。 
国家を国家たらしめる絶対条件は、主権の確立であります。この主権、すなわち独立を守ることこそが、国家の存在を維持するために求められる最低限の要件です。

来年、平成24年は、講和条約が発効し、日本が国際社会に復帰してから60年となる節目の年です。人間に例えれば還暦、成熟した大人です。今の日本は、その年齢にふさわしい大人の主権国家としての振る舞いが出来ていると言えるでしょうか。

60年の節目にあたり、真の独立国として国家繁栄のスタートを切った日である「主権回復記念日」を新たに「国民の祝日」として国民に打ち出すことは、その意義を広く普及し、国民生活への定着を図るには絶好のタイミングです。

「主権回復記念日」に過去の歴史を振り返り、現在の我が国の独立に至るまでの先人の努力に敬意を表しすると共に、主権回復後の信託統治により本土復帰まで約20年を要した沖縄県の方々の心情や北方領土にも思いを致しつつ、改めて国の成り立ち、日本のあり方について、すなわち日本の国民こぞって自分自身に国家観を問うことは極めて意義深いことであろうと思います。

現在、「4月28日を『主権回復記念日』と定め、休日とする」旨の祝日法の改正案を国会において審議すべきとの動きがあります。この法案の成立を後押しする上でも、地方の声として伝えていくべきです。

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