県産木材の利用計画を
出所 関電エネルギーソリューション
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県産木材の利用促進計画を定めるべき!
兵庫県森林組合連合会、兵庫みどり公社、関西電力は本年12月1日、兵庫県朝来市の生野工業団地に「朝来バイオマス発電所」を建設し、運転を開始しました。森林の間伐等によって発生する未利用材を木質チップ化し燃料とする木質バイオマス発電所です。
未利用材の収集と搬出はみどり公社や森林組合などで運営する「兵庫県be材等供給協議会」が担当し、木質チップへの加工、貯蔵、品質管理は森林組合が運営する「be材供給センター」が担当し、発電所を運営するのは関電エネルギーソリューションです。発電所の最大出力は5.6MW、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して売電。(売電単価は1kWh当たり32円)年間売電量は約3700万kWhです。(一般世帯の年間電力換算1万2000世帯分)
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必要木材量は年間50万トン超え!
この朝来バイオマス発電所で燃やし続ける木材チップの量は年間6.3万トン、また赤穂市の㈱日本海水のバイオマス発電では県産木材が年間5万トン供給されている。更に丹波市で29年稼働予定のパルテックエナジー㈱は3.7万トンの県産チップが供給されることとなる、合計で15万トン。
バイオマス発電需要が後押しして県産木材搬出量は増大し続けることは予想される。27年度の原木生産量は36万1千立米に達し、30年での予想数値は43万立米です。 課題は補助間伐での搬出される木材は柱材や板材などの建材として利用できる品質の高いA材と燃料に回すべきB・E材の比率が概ね7:3であることから、発電用チップ材の搬出が増えれば、建築用A材の搬出や供給量も増えるのです。
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これからの課題は、
- 供給量=市場流通量が増える建築用木材をどう使うのか?
- 森林所有者や林業者は何をすべきか?
- 県民にとって森林や木材をどう利活用すべきか?
- 県産木材のトレーサビリティーは?
- 森林や林業関連人材の育成と県民教育は?
- 間伐、主伐後の再植林をどうするのか?
- 国や県、市町はどんな方向性を示し、何をすべきか?
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CLT活用など産業化へ先駆け
現在の森林利用に関する法律は「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(平成22年法律第36号)が成立しています。シンボル性が高い公共建築部は、人々に木材利用の重要性や木の良さに対する理解を深めてもらうのに効果的ですが、公共建築物における木造率は建築物全体と比べて低く平成20(2008)年度に新築・増築・改築を行った建築物の床面積のうち木造のものの割合は、建築物全体では36%であるのに対して、公共建築物では7.5%にとどまっています。地方公共団体や民間事業者にも国の方針に即して主体的な取組を促し、住宅など一般建築物への波及効果を含め、木材全体の需要を拡大することが必要です。
- しかし現在全国都道府県では木材利用促進の指針は示しているものの、具体的に条例を制定して積極的に取り組んでいる団体は、北海道、茨木県、富山県、徳島県だけです。
- 西洋の砂岩建築、日本の木造建築、木使い(気遣い)文化を現代生活にマッチした生活提案が望まれます。CLT活用など、建築工法の開発と許認可、木製サッシや広葉樹の家具、調度品、内装材、当然地域エネルギー(熱・電力・エタノール)としての利用、セルロースナノファイバーなど新素材開発、雇用人口が一番多い産業化へ向けて兵庫県が先駆けねばならないと思えてならないのですが・・・・田舎が時代を変える、議員提案で条例制定による実質事業化を目指しています。
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