福島県被災地調査、いわき市役所で農産漁業の風評被害対策を、午後から双葉郡の除染、帰還困難・居住制限地区の現状調査。ガイドはかの猪狩弘之さんです。
【いわき市漁業調査】
いわき市役所 農林水産部を訪問し、水産業の現状と対策を伺いました。先ず地勢と言うか海だけに水勢は、親潮を黒潮が出会う潮目が近く、ここで獲れる水産物は「常磐もの」と言われ市場評価が高かった。その内訳ですが、平成22年度資料によれば、市内の水揚量は20123トン 金額にして44億円でした。 カツオ、サンマ、サバなどの回遊性魚種が15000トン金額で24億円、タコ、いかなご、かれい、いか等の沿岸性魚種が5000トン20億円です。
沖合漁業は23年8月より再開しているが、沿岸漁業は現在も自粛中です。原子力発電所の事故による放射性物質流出の影響は沿岸魚種が受けやすいからです。
現在どれ位回復したかですが、26年のいわき市データによれば其々22年比で沖合漁業のカツオ12%、サンマ61%、さば67%、また沿岸漁業は現在も操業自粛中で、安全が確認された魚種のみ試験的に販売中です。
試験操業とはモニタリングから安全が確認されている魚種を小規模操業で販売し出荷先の評価を調査するものです。販売される魚は放射性物質のスクリーニング検査を行い、安全な水揚げ、消費者と流通業者の信頼回復、ルート回復、福島産の安全性PRを担っている。
韓国は福島県産のすべての産品の輸入禁止を解いていない。また沖合漁業船は値がつく港ならどこでも水揚げできるので原発事故のあった福島県の漁港には立ち寄らなくなっていることも大きい。気仙沼と焼津に行っているとも聞いた。
【見せる課】
風評被害対策で出来ることは安全なモノだけを生産出荷できる体制整備です。福島は絶対イヤだと感情的に思っている方には即効力は無い。そのため放射性物質検出については国基準の100bq/kgに対しいわき市自主基準は50bq/kgと定めています。(100bq/kgでも十分安全)そして魚類だけでなく農産物も出荷規制と出荷時検査を徹底しています。
それらの取り組みを物品流通に留まらず、広く観光やいわき市イメージアップにつなげる情報発信をするプロジェクトが「見せる課」です。
▲猪狩弘之 氏
▲道の駅よつくら港から国道6号線を北上、除染物質が田に山積みされる。
復興本部のあるJビレッジサッカースタジアム、7~8000人が働いている。
東京電力は、福島県楢葉町と広野町にまたがるJヴィレッジ内にある復興本社を平成27年中に福島第1原発(大熊町、双葉町)の近くに移転する。Jヴィレッジは、東日本大震災まではサッカーのナショナルトレーニングセンターとして、日本代表の強化合宿などに使われていた。2020年東京五輪・パラリンピックのための使用を想定し、最終的には敷地を明け渡す予定。東電福島復興本社の石崎芳行代表が、産経新聞のインタビューに答えた。(産経ニュースより)
丁度除染中でしたが、大変な工事です。午后3時までの帰宅が許されていますが人影はありません。
夜の森地区 2.2キロの桜並木通りがあり、ソメイヨシノ約400本が並ぶ。2013年3月の避難区域再編により南側の300メートルのみが日中立ち入り可能となり、一部で桜を観賞することが可能となったが、大半は高線量の帰還困難区域。バリケードで桜並木が南北に分断されており・・・・・(河北新報より)
富岡町商店街の様子。窓が開いたまま玄関が開いたままの家の主人は何処に?
猪狩さんの友人のお家の中を見せてもらいました。3月11日のままです。
猪狩さんは、議会の先生には失礼な言葉もあるかもしれないと前置き後、意識して淡々と状況を語られた。補償金や負担金の公平性だとか、政府や自治体に対する苦言は一言もなかった。只住民の心理や今の状況をそのまま語り続けられた。 最後に『福島だけで十分、もうあってはならない、そのために福島で何があったか語り続ける』 加害者被害者意識を超えた人としての活動がやがて・・・・・