兵庫県議会議員みなみ但⾺選出 藤⽥ 孝夫(ふじた たかお) オフィシャルサイト

ひとり言

藤田孝夫

現代トイレ考

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日本は極東アジアの島国、温帯モンスーン地帯にあり雨量は多い。利用されない森林は雨水を貯めその水は量、質ともにグレードが高い。だから日本は世界に誇れる美しい水の国でもある。植生は豊富で樹木は豊かな水を蓄える。美しく豊富な水は豆腐、そばなど、贅沢に水を使う食文化を育んできた。そしてトイレも紙から水に変わった。拭き取るから洗浄への変化だが、3番目の新しい日本の水文化かもしれない。

大学時代に受講した文化人類学での微かな記憶によれば、世界のトイレ歴史は特徴があり、砂漠の民ベドウィン族が後始末で使用するのは砂か石。(少し痛いかも知れないが温かければ気持ち良いかもしれない) 日本ではトイレでは紙を使用するから砂や石を使うというのは興味深かった。 フランス、ルイ王朝でもやはり紙を使ってたらしいが、品質は悪くハトロン紙みたいなものであったらしい。

ウォシュレットを完成させた日本では、お尻を拭くという工程(きれいにする作業工程として)は水で洗浄し殆ど綺麗にしてしまうから、紙の使う意味とは排泄物を拭き取るためではなく、洗浄液を拭き取るためである。既に乾燥温風も出てくるので紙を使う本当の役割とは綺麗になったかどうか?(排泄物がお尻についていないことの確認)を目で確かめる事だろう。この機能さえもカメラで画面に表示すれば不要となる。想像しただけで気持ち悪くなるから話はこれくらいに留めよう。 ともかく日本のトイレとはかくも進歩したのです。(紙から水へ)

さて皆さんは自分の家にどれくらいの水道蛇口や電気コンセントがあるか覚えていらっしゃるだろうか? 電気工事屋さん、水道設備屋さん以外は多分答えられないでしょう? 兵庫県の職員に県の建築物にどれくらいの便器があるか? 洋式和式、ウォシュレット機能の有る無しについて聞いてみた。 完全に掌握している職員は多分いないだろうが下記のような資料を持ってきてくれた。

 

■県本庁舎、総合庁舎の大便器数は527基 (うちウォシュレット対応は122基) 設置基準は特に無し 回答元 営繕課

■県立学校等の大便器数は4919基(洋式のみ)(うちウォシュレット対応は877基) 設置基準は特に無し 回答元 教育委員会

 

県立学校の4919基(洋式のみ)という回答からは和式も同じくらいあるのではないかと思えたりもする。もしそうなら以下の数値はすべて半減となることから極めて曖昧な数値であるが、洋式便器だけを分母としでわざわざ計算してあるので記載すると。日本の第三の水文化ともいえるウォシュレット対応比率は全体で約17%だが、特別支援学校は(846基中608基)72% ところが県立高校では(3455基中188基)5.4%と重点配備していることになるらしい????

では設置便器の数はどのようにして決まるのだろうか?確かめてみた・・・ まず法令では労働安全衛生法により事務所衛生基準が定められている。それによれば

■男性用便房(独立した部屋の房、つまり大便器数に近い)は60人に1基以上。 

■男性用小便器(部屋ではなくつい立仕切りだから単純に数)は30人に1基以上。

■女性用便房は20人に1基以上。

つまり最低基準を示しています、未来ある子供が過ごす教育施設だけに更にきつい基準があるかは不明だが、県教委からの回答は設置基準無しとのことだった。

しかし建築設計の段階で設計士が元にする基準はあるはず! 

ありました! 日本建築学会の「建築設計資料集成」また空気調和・衛生工学会の「衛生器具の適正個数算定法」またイナックスとかTOTO等機器メーカーの算定式も丁寧に業種別に示しているものもありました。

 

小学校や中学校では高校以上に便器の洋式化、ウォシュレット対応が進んでいると聞く。何故なら家庭の便器と同じ様式であるからだ。小学校の頃、暗い臭い汚いの3Kトイレには行きたくなかった人も多いだろう。ハード的に恵まれた家庭環境にある現代の子供が私が子供だった頃のトイレには行かない。考えてみれば現代日本の家屋で一番進化したのはトイレ、キッチン、バスの水回りかもしれない。

小学生の場合、学校のトイレに行きたくないことが不登校の理由だったり、いじめの原因になったりする例も多いらしい。

では高等学校ではどうか? 汚いトイレは汚く使われる、レバーは足で蹴り、ドアも蹴るから鍵も壊れる。やがて喫煙やいじめ、暴力など非行を誘発する。そのような場所を学校内につくってはならない。

 

昨年、文部科学省大臣官房室作製の高等学校施設整備指針によれば、生徒数に応じて適切な衛星器具を設置できる面積、形状であることに加え良好な雰囲気となるよう計画することが望ましい。 また高齢者、障碍者への対応、避難所となる場合は停電して使用できなくなることも想定するなど避難者の利用に配慮した設計が望ましい等と記載がある。

災害対応、いじめ暴力、不登校対策などを考慮して、1.17から20年の本年、最適なトイレの基準について再点検しては如何だろう?

 

 

 

 

 

 

 

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