兵庫県議会議員みなみ但⾺選出 藤⽥ 孝夫(ふじた たかお) オフィシャルサイト

活動情報

藤田孝夫

26年度兵庫県決算審査 財政

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1 阪神淡路大震災に係る財政負担への国支援について(将来負担比率)

    平成26年度決算において、健全化判断比率である将来負担比率は341.1%から333.0%に8.1ポイント減少したものの、依然飛び抜けた数字である(全国ワースト)。 将来負担比率については、多額な震災関連県債残高がその率を引き上げている最大の要因であり、他府県とは財政構造が異なる本県の厳しい構造を示している指標でもあると理解している。 同じように震災を経験した東北の被災地は復旧からいよいよ本格復興へ、すなわち永続的な街づくりが始まったところである。我々も度々被災地を訪問しては状況を確認しながら、早期の復興を願うものであるが、とりわけ少子高齢化が進む中山間地が元気を取り戻すべく進められている復興事業の行く末は、同様の課題に直面している全国の多くの田舎の期待も背負っているといえる。 少し冷静、沈着すぎる議論かもしれないが、度重なる大規模災害を経験し、被災者支援や復興費の予算、特に歳入部分は随分変化してきた。それは制度的には被災者支援法他・・・また人々の感情的にも被災地(者)には手厚くしてあげるべきと変化してきた。20年前で無く、もし今、阪神・淡路大震災が起こったとしたら、財政的にどんな復興計画でどんな財政状況になったのであろうか?このいわゆる震災関連部分の足かせがどれ位消えたのだろうか? 東北大震災の被災自治体負担が震災特別交付税で通常負担分の95%が助成されることが明らかになった今、あらためて伺うが震災関連県債残高5303億円の内容はどのような使途目的か、また創造的復興と言われるものは如何ほどか?    

答弁

復興事業5175億円と災害援護資金貸付128億円の合計5303億円その内 基本インフラ整備費(道路河川、区画整理費)2045億円 公営住宅 273億円 税制健全化債権 1611億円 中小企業高度化貸付金 560億円 そして美術館、芸術文化センター、人と防災センター等686億円    

関連質問

当初は1兆3000億円の県債を発行した訳ですから、良く返済したものです。県の財政資料には毎年、震災関連を除く場合の試算も掲載されていてその場合、将来負担比率は262.3%となります。震災から20年が経過したが、その間国の災害復旧に係る支援内容も随分手厚くなった。よそのことは言いにくいが、東北大震災では、直轄道路の地方負担通常1/3、負担の20%を交付税処置(実質地方負担26.7%)だが、震災特例で実質地方負担1.7% 復興交付金は通常40%が1%・・・・ 兵庫県は多くの支援を国内外から戴いたが、独自の創造的復興(本来、人が生活するうえで必要なものは勿論、音楽や美術、心理的ケアまで含む)に取組むなど、将来の発展方向も想定して復興計画を描き多額の県債を発行してきた。 “創造的”の部分は随分批判されたが、意外と小さいのに驚いている。686億円に類する将来負担と算定されたものは、道路公社55億円、土地開発公社253億円、みどり公社291億円、信用保証制度融資に係る損失補てん金96億など公社の負債となる可能性損金730億円とほぼ同額となる。(ずいぶんアバウト)引き続き災害復興のつけに苦しみながらそれも必要と判断して全部を背負い財政健全化を目指している。 東日本大震災の復興と阪神・淡路大震災の復興とを単純に比較することは出来ないかもしれないが、本県財政の足かせとなっている震災関連部分を改めて精査し、東日本大震災で認められた復興への国負担分と同等部分を国において何らかの手立てができないか、国に対してこれら負担の軽減を引き続き求めていくべきと考えるが、所見を伺う。  

答弁

阪神淡路大震災被災団体に対し(神戸市、西宮市、尼崎市なども含む)東日本大震災での復興事業で実施されているインフラ整備のために発行した債券の元金償還や利子分について適切な財政処置を求めている。また償還期限の延長(国債並の60年へ)。当時の金利水準が4%以上あり、高い利息の県債の繰り上げ償還などを求めている。   よい返事は頂いていないが、直近(一昨年?)の淡路地震ではその復旧に東日本並の助成措置がなされた。    

2 地方一般財源総額等の確保について

政府が6月末に閣議決定した「骨太の方針2015」では地方財政について「国の一般歳出の取り組みと歩調をあわせつつ一般財源の総額を2018年まで2015年度地方財計画の水準を確保する」と明記された。上品な言い回しであるが、この場合の確保とは3か年地方財政額は増加させないとの意味である。 世界的な経済自由化の中で今、政府の経済対策や財政規律の公平性が求められる中、政府方針としては当然かもしれないが、即鵜呑みで納得とはいかない。 そもそも兵庫県や市町は法によって設置され、国が本来果たすべき役割に係る事務について実施している。 関西学院大学大学院教授の小西 砂千夫氏は「明治以来の近代国家建設の中で地方財政制度の発展は権限と財源のあるべきバランスを実現することを巡る歴史である」とおっしゃっている。例として小学校は明治時代からの市町村が運営責務を担ってきたが、教職員給与や建設費などをはじめとする学校運営に必要な財源が保証されるまでには明治大正昭和の長い時間と紆余曲折が必要だった。今も義務教育費の国庫負担金を巡ってはその額の増減予想に我が兵庫県議会でも度々意見書を送ったりするなどの議論が続き今に至っている。 しかしこうも地方財政計画が固定化、縮減化されると、先ほど述べた国責務の一部を担う時代に即した自治権限=国家責任が硬直するのではないかと懸念される。 硬直化の大きな要因である社会保障関係費などは小学校設置に類するような大きな国家課題であり、この増加分が適切に反映されているとは言えない地財計画には疑問が残る。抜本的制度改革に国が取り組むことが必要でできないなら 地方が必要とする財政需要を地方財政計画に適切に積み上げるとともに、子育て支援等の社会保障単独事業や再生可能エネルギーの導入支援、地域に密着した施策推進のための地方単独事業に必要な経費を措置するよう、国に求めていくべきと考えるが、所見を伺う。    

3 行革プラン最後の総点検に向けた決意について

来年度は現行の行革プラン3年目の総点検、最後の見直しを迎える。 先ほどの質問のとおり、地方財政全体の一般財源は前年度並みとの制約が入り、先行き自主財源も大きく増加する見込みが無い中で、引き続き行革を進めていかなければ、30年度のプラン目標達成も難しくなってくる。 自民党では、来年度の総点検を見据え、団内に『行財政構造改革調査検討委員会』と「財政状況」「組織・公営企業」「公社・外郭団体・公的施設」の三つのワーキングチームを設置し、事務事業や公社・外郭団体のあり方等、前回の行革見直しの際に我が会派から主張した案件の洗い出し等、今から弾込めの調査・検討を進めることとしている。 当局における本格的な課題検討は、来年になってからの作業になるとは思うが、知事は先日の本会議において、①国の政策や現実の税収動向等を踏まえた財政フレームを精査する、②地域創生戦略の推進など新たな課題への対応のための需要を見込んでいく、③国民健康保険や教育委員会の改革、政令市との共同事業化など市町との役割分担の再編へ対応する、④多発する自然災害や施設の老朽化等に対応した社会資本整備の重点化、の四つを検討の視点にあげていた。 第3次行革プラン最初の決算を踏まえ、最後の総点検に向けた決意を改めて伺っておく。  

まとめ

将来負担比率はともかく、創造的復興部分を国費負担するほどの財政悪化は認めにくい。だから過去に遡って今の災害復興事業並支援を求めても実現はしにくいと感じる。しかし解っていてもそのことを言い続ける責任が兵庫県にはある。防災先進県としての大きな先行投資と捉えれば、地方自治体が先導し国施策に大きな提言を残したことになるのだから。それこそが今、兵庫県の全国からの評価であり、先進性でもある。  
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