兵庫県議会議員みなみ但⾺選出 藤⽥ 孝夫(ふじた たかお) オフィシャルサイト

活動情報

藤田孝夫

明るい北朝鮮!シンガポール

自民党県議団 建設部会・健康福祉部会合同調査

12517156_10154093561822733_28457891_o    

【シンガポールの概要】

面積710平方キロ 人口550万人(市民・永住権者400万人、駐在員・出稼ぎ150万人) GDP3300兆SGD(29兆円・1S$=88円) ここ20年間でGDPは4.64倍。     解りやすく言えば 兵庫県のすべての人が淡路島に住んでおり、都市国家なので統治組織としては国直轄と言える、即ち市町や県などは存在しない。外観は区画整理の行き届いた東京というよりマンハッタン島です。高層ビル群(規制で300M)にはホテル・ショッピング、政府機関、オフィースビルが並び、公団住宅がその周りに配置され、主要幹線と街路がそれらを結んでいる。しかし特徴的なのはそれら建築構造物の間は必ず樹木や花、あるいは芝で埋め尽くされていることだ。無いモノは農地とスラム街、個人住宅も無いに等しい。   日本の且つての田園景観は「鉛筆で描いたように端正で美しい」と形容されたが、シンガポールの市街地は「定規を当てて太マジックで描いたよう」でもある。そして今も政府が描いた都市計画に寸分違わず増大し続けている。2030年に690万人口を計画していると聞く。 DSC_0111 (1024x576)

団子より花!

日本で緑とは山と田畑ですが、シンガポールでは芝と木と花、基本的に農地が殆ど無いのです。少しでも食料自給をしようと言う考えは全く無いところはオランダと似ています。オランダも食べられなくても高付加価値(高単位収穫金額)のものしか作りません。ここでは世界トップのドクターやサイエニスト、ファイナンシャルプランナーが好む住環境としての公園に必要な緑しか存在しないと言っても過言ではありません。もちろんそれは年間1500万人訪れる観光客にとっても魅力的に写っているのです。 DSC_0106

有限な国土

国土が狭いので埋め立て工事は絶えず行われており、国内の山(丘)を削っていたが今はマレーシア等近隣諸国から埋め立て土砂を購入。 ポーアイや六甲アイランドなど埋め立て地、また兵庫県企業庁の地域整備事業では既存利権が無いところを開発できることが最大メリットで、そのため自由な将来を見据えたグランドデザインが描けることにある。シンガポールでは期限付き居住権制度で埋め立て無くても土地利用計画は実現するので、単純に狭いから広くしたいのが埋め立て理由です。 自家用車制限 国内で走る自動車の台数をコントロール、自家用車購入権を約300万円で発行(10年の制限付き) 自動車はカローラクラスで600万円 その割にBMWやアウディー等の高級車は多いし時々フェラーリやGTRも走っている。 高所得者が住んでいるのです。(シャンハイF1グランプリの影響か) 12957167_10154093561912733_1222628865_n  

暮らしと物価

物価は安いとは言えないが、ショッピングモール内のスーパーやコンビニでは価格は日本と変わらないものもあるが、ほとんどを輸入に頼るため高い。1.5倍くらいか? 市民の食を支える小さな屋台、フードコート付き交換販売飲食店は随分安い。国民食ともいえる通常の調理方法は中華風です。特に原材料が南国アジアだけにマレーやネシア、中華と言われても日本人には同じに感じるだろう。 特にお酒は規制がきつく、飲む習慣が少ないと聞く。ちなみに小売店で缶ビールが4~5シンガポールドル、飲食店では10~12シンガポールドル。夜10時頃にはコンビニの飲料冷蔵庫にもチェーンが係り販売されない徹底ぶり。(バーや飲食店はOK) 自国民のカジノ入場制限と併せて「飲む打つ買う」はフリーではなく其々何らかの政府方針により抑制されている。  

日本の都市機能で住は?

今回の調査では個人住宅の中を見せてもらう機会はなかったが、住まいは公団住宅が殆どで一戸建てはごくわずか。 公団住宅は分譲と賃貸があり、高級なコンドミニアムは数億円、出会った日本政府系の駐在員の家は100平米で家賃は40万円とか! 賃貸物件は比較的安いようで所得に応じてすみ分けているというより 政府が与えている感じか? 公団住宅は国家開発省が計画立案、建設、販売、賃貸するもので確認はしていないが民間は参入できない。ホテルなどはその限りではない。しかも期間が99年と定められた期限付き居住権であることも重要で、近年中国地方政府が販売している土地(69年所有権)と似ている。墓地は更に短く15年間は墓に埋葬できても以降は堀空けて納骨堂に収める法律があると聞く。即ち無期限の不動産所有権を認めず、人生設計に大きな転換を迫ることは避けながら、緩やかにあるべき土地利用計画も描きやすい規制をかけているともとれる。  

個人の永久土地所有・日本の多様性!?

近年、日本では農地、商店街、個人住宅と管理放棄した物件が目立つが、海外のように居住、所有期間を限定することによって街のデザインや安全を確保することも考えねばならないのかもしれない。 日本は農地に限らず土地への執着があまりに強く、個人個人の意思が町全体の構想や将来より優遇されていることの弊害だけが目立ってきた。またデザインや色彩、品質や品格においても全く自由であることが、結果的に生涯で掛ける住宅コストをかえって高くしている。それさえも多様で豊かだと感じて進んで選択しているのなら問題は無いのだが。  

公の果たす住宅政策は不要か?

我が国では公団住宅は法により、低所得者他、所得に応じた家賃が定められているが、結果としてチープなモノにならざるを得ない。兵庫県でも震災復興住宅がほぼ役割を終え、増えすぎた県住は5万件にも及び古いものから壊されている。フランスのアパルトマンはナポレオンが創った築300年、スイスベルン市は古い住宅ほど価値があり中世の住宅が今も店舗、住居、おオフィースとして活用されている。。砂岩建築の耐久性ゆえと切り捨てるのは簡単だが、日本では元々住宅とは個人資産であり、公的資産として国民の住まいを考えたことが無かったようだ。日本のそれは住宅を購入できない場合の福祉政策としてのみ存在した。日本でもようやく始まった中古住宅のホームインスペクション(査定制度)をより進め、資産の流動性を高めねばなりませんし、初めから将来住み替えするときに価値が高い住宅を建てることにつながることも期待される。

シンガポールの住宅=公団住宅

総じて職場に近く、豊かな樹木や花に囲まれた住環境であり、住宅価格上昇中でもあることから満足度は日本より遙かに高いようだ。 公団住宅の建築物にはショップが無いのも印象的だった。 住居から400メートル以内で公園に行けるようにする計画がある。ともかく仕事と住居については単一明解な理論で多様ではないがCPの高い街づくりをしている都市(国家)であることは間違い無いだろう。 DSC02526 (1024x768)

さて上記政策は何のためか?

それは国民の所得を上げること。そのために高収入を得られる先端産業を誘致し、クリエイティブな頭脳を持つ人材を世界から集める。関連して自国民も共に働かせ人材育成を図る。不足部分である不人気な単純作業を伴う仕事は海外出稼ぎ者(バングラディシュ、中国、メイドはフィリピンなど)の短期就業を認め対応している。マレーシアからの日帰り労働者も多い。 海外から招いた高知能・高所得者は納税額も多く、生活で消費する金額も高いからトータルの経済循環高も大きくなる。国の描いた雇用ピラミッドを維持・達成することが優先され、上述3つの雇用の人種的比率は簡単に変更できる制度ともとれる。(国連は黙っていないのかな? しかし社会的平等はよく達成できている)

そのため先端産業と外部人材

施策として先端産業を誘致する国挙げての研究機関ハード整備、優秀な学生を集める奨学金制度が創設されている。人種的母語は認めつつ公用語を英語としていることもグローバルな発展に寄与した。かつての牽引産業はIT等だったが2000年ごろから先端医療やメディカルケア、水研究などに注力した結果今では主力が移っている。(次も模索中だろう) DSC02510 (1024x768)

観光地としての再投資

SGDの貿易レート高、アジア主要国でのインフラ整備により、オーチャードストリートの高級ショッピング街が少し落ち込んでいると聞く。しかし高級ホテル・ショップ・カジノを備えたマリーナ・ベイ・サンズや、植物のテーマパークであるガーデンズ・バイ・ザ・ベイのような新たな投資は、SGDレート変動や他国の巨大ショッピングモールの一歩先を捉えた大型投資となることだろう。 DSC02493 (1024x768)

グリーンコミュニティー

小さな公園を自主管理する自治組織が全国を網羅しており、緑の整備を通して自治、コミュニティーを促進しているようだ。コンテストや情報公開、国からの支援制度もあるので、一種の統治制度ともいわれている。 兵庫県では花を愛でる会、弁当付きか? 空地・街路のみどり表彰がこれかな?  

県民みどり税

都市緑化では個人ではなく団体・グループで緑化維持・美化が義務付けられたいる、上述政治的利用とは関係なく木や花などいわゆる緑を媒体として人と人(地域住民)が触れ合う機会を提供している、その効果が大きいとも指摘されている。シンガポールのそれが正しいかどうかは別にして、県民運動としての参画心理的意義に加え、第三期は住環境の数値や空間として優れて進んだものが求められる。(緑の質)少なくとも修景という言葉は不要としたい。 帰路、伊丹空港へのアプローチは大阪市を南から低空で阪神高速道路上を飛ぶ。下界には大阪海岸部の街並みが広がる、昨夜まで見てきたシンガポールの街並みとの違いに唖然とする。 雑居ビルを無造作に集めたようにも見えるそれは、よく言えば個性的、奇抜、コンパクト、カラフル・・・・ 多様です。   以上訪問先のデータや質疑内容は誰かが掲げるだろうから、日本との対比で視察中感じていたこと見えてきた課題を書かせていただいた。  
活動報告最新記事10件
全記事月別アーカイブ