夏期大学・森永卓郎氏
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第54回文教府夏期大学、今年で最後となるようです。昭和43年より始まったこの講演会は、当初2日間にわたり5~6名の有名講師を迎えて開催されていました。初回は司馬遼太郎・伊藤昇・犬養道子(敬称略)、開会あいさつは阪本勝兵庫県知事がされました。
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昭和51年の第9回よりは一日の開催になりましたが、講師陣は草柳大蔵・永井路子、岡本太郎、橋田寿賀子、笹沢佐保、平岩弓枝、池田満寿夫、戸川晶子、五木寛之、大江健三郎、小松左京、福井謙一、藤本義一、浅井信夫、稲本正、柳田邦男、養老孟司、内橋克人、生島ヒロシ、里中真知子、田原総一郎、湯川れい子、落合恵子、家田荘子、安藤忠雄、金美齢、・・・・
色々事情はあるのでしょうが、単純に聴講者の立場からは残念と言うほかありません。
さて森永氏の話、関心のあることしか覚えてないのでしょうが、印象に残ったのか下記でした。
- 東京都の転入数がコロナ禍で60%減少(増えていることに変わりはない)
- Amazonの出荷作業:自動ラックの巨大倉庫からのピッキング作業は時給が高い
- しかし手持ちの端末に商品の場所と標準所要時間が表示されカウントダウンが始まる
- オーバーした時間が集計され上司に注意を受けるが、上司もマニュアルにより怒る
- 東京都のオフィース空室率6.2% (3畳一間の家賃7.5万円)
- 港区の平均所得1600万円、職種は不動産業・株式譲渡益
- タワーマンションのペントハウス住まいがステータス(竹中平蔵、ホリエモン)
- 超贅沢はエネルギー使用量も莫大、常時空調・防犯管理
- 遠くの貧国を無造作に寄付で助けるより近所消費が大切
- 負荷方式の年金では勤労者の掛け金を受給者で分けるが、30年で40%支給額は減少する
- 但し、66%が70歳まで働き女性の多くがフルタイムで働けば維持できる
- 即ち借家住まいや年金暮らしの人は物価高、生活コスト高の大都市部では暮らせない
- 富山県舟橋村の例:野菜作りの奨励と立派な図書館(晴耕雨読)
- 森永氏:米、肉・魚(動物性蛋白質)以外は自家栽培とご近所での物々交換で暮らす
- 趣味のコレクションに係る費用は、講演・出演料などの収入の範囲で賄う
- 楽しい仕事は稼げない、つまらない仕事は労働力需給のバランスで稼げる
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楽しい時間を過ごしながら暮らす方が高額所得を得るより豊かではないか?
自分の良心に正直な生き方をする方が幸せではないか? 十二分に稼いで多分高額所得の森永さんからの幸感をこう話されました。