兵庫県議会百条委員会の今までの調査した疑惑項目、パワハラ、贈答品、公益通報、個人情報、ではあらかた委員会総意たるもの(真実相当性)が得られつつあります。組織的クーデター論はそもそも当該文書には掲載されていません。また9月6日の尋問では3月25日の西播磨県民局長を取り調べた当時の片山副知事や県幹部との会話録音でも、県職員の多くから聞き取り一人で文書を作成したと、知事、片山副知事双方からもそう認識したとの供述を得ています。
議会が百条委員会を立ち上げ調査が進む中、百条委員会の結論を待たずに至急、県政の信頼回復を急がなければならない事態に陥っています。議会は知事辞職勧告を全議員で出し、更に不信任決議が86議員全員で成立した今、一番の注目は県政の信頼を回復するためにどんな手順・優先順位で次期知事を選任するのかです。
百条委員会は自民党県議団と民主党系県議団(兵庫県民連合)が連携主導して設置しました。普通知事選挙・政令、中核市市長選挙では、国政政党が公認や推薦した候補同士で戦う、即ち国政選挙の前哨戦的な下級選挙の位置づけであったと言えます。 「国家統治を一元的安定させる中央の役割、中央政府の交付税他有利な分配に預かりたい地方の狙い」それは無理からぬ一致でした。しかし東京一極集中と地方の衰退はそうした選挙を繰り返した各級首長と有権者が創ったのであって、東京はその象徴に過ぎません。そんな東京と比べる国内ランキングに一喜一憂するのではなく違う価値基準の創造が求められています。グローバル化の中での独自の地方の魅力を創造し、その魅力の深さを追求しなければなりません。
百条委員会が兵庫県に留まらず各首長の政治姿勢や言動に警笛を鳴らし、公益通報制度が組織にとって真に有効に機能し、当然通告者の利益と安全を守る制度であらねばなりません。兵庫県の百条委員会の取り組みが公益通報者保護法の改正に繋げる期待が高まる中、その兵庫県議会が、何を大切と考え知事候補を選定するのかが今最も重要なテーマです。
党勢拡大のための知事選挙にしたいとの思いは当然各政党にはあるでしょう。優れた候補者を国政レベルからの提案で探しだせる可能性は否定しません。しかし現実は推薦責任や指名責任(製造責任)は果たされなかったのです。それどころか自爆装置さえ壊れて機能しなかった。
今回は国政政党都合での候補者は遠慮願いたい。
議会が自らの権限で調査を主導する百条委員会を立ち上げ、全会派一致で辞職勧告・不信任決議を突きつけた今、政党優先・政党都合に従った従来型の知事候補選びは県民の理解を得られるだろうか? この際、兵庫県民のため政党の枠を超えて、真に兵庫県にふさわしい候補を擁立するためにまず、県議会の総意を議会でまとめることを優先するのが最も重要な判断順序であると思えるのです。 考えられる候補とは、①自公民など多くの政党推薦を受けられる候補、②政党推薦をどこからも受けない候補のどちらかです。
そんな手順によって選ばれた新知事に対し、国政・国会議員は各政党の独自政策を提案する努力を怠らないのは次のステップです。国の応援なしには地方自治体は成立しないのですから。