日本の農業就業者平均年齢は66歳、自給率40% 数値以上に私たちの持つ農業へのイメージもよくはありません。書物で読む就農成功体験談も面白いのですが、今回は実在の人物の講演がありました。 企画立案は石井但馬県民局長です。
講師は宮治勇輔氏、(特定非営利活動法人 農家のこせがれネットワーク代表、株式会社みやじ豚 代表取締役)
講演内容は一言で・・・ 現代経営学・マーケティング論で農業の経営計画を立てて実践する 非常にシンプルなんですが、いざ実践するとなると食べ物であるだけに確かな味覚と鋭い消費者観察眼、流通概念と戦略などが備わって無いといけない。 彼は農業とは全く関係ない大学時代とその後の就職先でそれらを会得したようです。
みやじ豚の品質や飼育方法に関する話は殆どなく、講演内容はマーケティング論でした。
生産者の価格決定権が無いこと、生産者の名前が表示されないことが私の不満! それを実践するということらしい。
突き詰めれば製造直販部門を持つことです。
食糧制度とは政治的には、安定廉価であり、価格は高くあってはならないのです。付加価値が高いもの低いもの其々存在しても全てが今の価格の2倍3倍では国民は不幸です。実際のところ直近20年間で日本の食品物価は半分(50%)になっているとの統計もある。安定廉価供給の次の消費者欲求とは、付加価値の高いものへとステップアップします。市場を通す、農協へ出荷する生鮮食品は全流通量の約50%に過ぎません。 つまり安定廉価に価格を決定する市場取引方法を通さない、なんらかの高付加価値商品群が50%と言う事です。(格安海外輸入もある意味高付加価値)
話を聞いていて思い出したのは、ダイエーとイトーヨーカドーの出店戦略でした。ダイエーは土地建物他不動産を取得しながら出店したのに対しヨーカドーはレンタル・リースが多かったのです。商業不動産が利益を生み出すのではなく、接客・品ぞろえ・レイアウト・価格設定など売り場というソフトが利益を生み出すという考え方がイトーヨーカドーでした。今農業参入への高いハードルの一つとして土地購入や農機等、ハード部門投資額の高さが指摘されています。 前述の食糧管理制度が市場原理で壊れかけた今、価格変動が無い事を前提に巨額を投じる者などいません。
日本だけでもマーケットはデカイ、多様化している。
但馬での可能性? プロデューサー次第でしょうか?