東電の福島原発被災地に対する賠償額が10挑円を超えるのではと言う試算に対し、一民間会社の限界を超える額なので政府資金を注入すべきとのコメントが出された。
この判断は誰がすべきか? 少なくとも電力会社からであってはならない。 政権与党が国民的意見を集約した後の判断であるべきです。何故なら政府資金とは全ての国民負担であるからです。その議論が情報公開された国家的議論とならずに、原発比率をゼロにすべきか、25%かにすべきかみたいな論拠無き空論というよりは政治的パフォーマンスに置き換えられている。
今後の電力需給に係る議論の方向性を見出す上では事実を明らかにせねばならないように感じます以下はその羅列です。
・原発停止は核燃料サイクルの崩壊、プルトニウムの他国への流出は重大な懸念材料です。
・世界有数の原発技術者の海外流出がおこります、日本から。
・原子力規制委員会(田中俊一委員長)科学技術的判断→政治的決断とは別 野田内閣と譲り合い。
・再生可能エネルギー買い取り制度(8月から電気代数十円アップ)初年度2600億円を広く薄く全ての国民が負担。
・2030年に再生可能エネルギーを3倍に・・・ 非現実的空論
・太陽光パネル設置住宅を毎年40万戸? 現在10年経過で設置済み住宅数は90万戸の現実
・風力発電所の設置面積は244平方キロ。東京都の10%現役世代負担120兆円の投資で再生可能エネルギー比率30%を達成は無理
・欧米では太陽光パネル投資で補助金目当ての投資が急増、電力価格への転嫁を逃した電力会社の経営難で買い取り制度を中止!(スペイン) アメリカでもソリンドラ等太陽光パネルメーカーが破綻
・関電 火力発電増加により燃料費増で経営圧迫、来年9月までに家庭用10%、企業向け20~30%値上げの方向、(中部・北陸中国は当面見送り)値上げは33年ぶり 高浜など原発再開で値下げも示唆!
・東電は9月より家庭向けで8.46%値上げ済み
・家庭向け電気料金は政府認可が必要一方企業向けは認可不要
・日本のエネルギー自給率4%
・2010の発電燃料費は3.7兆円 2011では6.8兆円 1キロワット時の電力コストは3.4円上昇。
・上述からは輸入燃料コスト上昇分が価格転嫁されれば電気代は30%値上げとなる。
・政府出資1兆円で東電の政府持ち株比率は50.1% 実質国有化。 来年3月までに燃料・火力、送配電、小売の3カンパニー制を目指す。 送配電部門では中立・透明性を重視。
・福島原発の除染、廃炉の本格化で追加支援の可能性が大、
・廃炉費用は数兆円? 2015・6年に公的資金返済は始まる。 日航などは効率化と上場で2年と短期間で再生、しかし東電では望めない
・東電は債務総額が未だ確定せず。(リーマン、欧州金融の負債総額を発表しないのと同じ、日本でもバブル崩壊時、負債総額は公開せず、処理出来てから随時更新データを総額として公開、信用崩壊ですべてが終わってしまう)
・原子力賠償機構の東電への支援額はすでに2兆4千億円超、廃炉費用は賠償機構は持たない
・自己責任(国と電力会社)を明快にすべき、 経産省の諮問機関総合資源エネルギー調査会での議論は?
・次世代電力計では東電は自社通信網での独占を譲歩し国際規格品、外部通信網活用へと変化
・各電力会社での廃炉賠償シュミレーションを公開すべきでは!
・女川ではIAEA耐震安全委員長曰く”巨大地震でも損傷が驚くほど少なく放射性物質の閉じ込めなど高い安全性が確保されている”
・本当の原発関連データは電力会社が持っている。しかし現制度下では営利会社として都合の悪い事は言わない。
・電力会社は現政府の取り組みを静観している。世論が収まればいずれ政治家がなびいてくる確信があるから。
・民主はともかく、この件(電力)に対する自公の発言は全くない事実!
・関西でも原発被害想定はやるが、需給体制に関する議論は全くない事実!
・総括原価方式の正しい認識と本来の積算とはどうあるべきか? なにかNHKの経営議論と似てきた。
・電力事業の公益性は営利会社で担保できるのか?
・可能性として、道路公団の不動産既得権と利用料金との分離・自由な発送電参入はどうか?
・国内の企業発電比率は総発電量の30%、海外移転で余剰電力の増大は売電参入機会増大!
次回は政治的に行うべき電力需給議論の方向性と手順に迫ります。