~指定管理者制度に見るマネジメント~
兵庫県の公の施設については、平成18年度から指定管理者制度に移行し、22年4月現在、県営住宅を除く県の85施設がその対象となっています。
その内、特定の者に公募をかけずに指定する施設は49施設で、全体の58%を占めています。またこの49施設の内、新行革プラン第2次案で公募制への移行を検討する事が示されたのは、わずかに西はりま天文台公園のみであり、また23年度から新たに西播磨文化会館、但馬文教府、淡路文化会館については、(財)兵庫県生きがい創造協会を特定の者として指定管理者制度の導入を計画中です。
これまで今後新たに公募制への移行が予定されていた兵庫楽農生活センターは引き続き兵庫みどり公社が管理を、フラワーセンターは当面公募せず民間ノウハウを活用した管理を行うと方向転換されています。
また、22年4月現在で既に公募を行っている22施設において結果的には、現在13施設約59%が県の外郭団体もしくはそれに準じる組織が指定管理者となっています。
加えて公募が2巡目となる施設の多くは、指定管理料の上限が前回の管理料をもとに算定されること等から応募者数が前回を下回っている状況にあると聞いています。
本来、指定管理者制度は、民間活力の導入と行政コストの低減を図るため平成15年に地方自治法の一部を改正して、その導入を推進することとされたものであり、本趣旨を鑑みると、個々の施設が抱える特性は考慮しても先に述べたような状況は好ましくないものが含まれていると考えます。
現状では民間の知的資源を活用し発展的に新たな施設活用方法を求める姿勢に欠け、募集する管理者には単に時間労働者としてのコスト圧縮のみを求めているようにも受け止められかねません。行財政構造改革の目指す数値として総人員の30%削減が唄われています。これを実行し尚且つ、県行政を効率的かつ効果的に推進し、県民サービスを低下させない方法を模索する上で指定管理者制度は欠かせません。特に県民の日常生活に近いところで運営される部分においては、行政が直接運営せず県は、公共性、公平性などの指導的役割のみを担い、民間を含めた地域団体が主体的に計画運営することが地域雇用、地域経済循環など兵庫県の活力を生む方法であると考えます。(場合によっては、県庁内部局も指定管理者制度になじむかもしれません)
これら顕在化してきた課題を解決していくため、公募により指定管理者を指定する施設の選定や県行政の施設運営への関わり方など、根本的に再検討する必要があります。確かに専門的知識を要する施設もありますが、その専門的知識とは何か? 民間では到底できないものなのか? その根拠はあいまいと言わざるえません。
県職OBの行き先確保? 慣例に従い確保せざる得ないとしても、平成30年までの長期行革計画では、廃止する年限の設定は必要でしょう。