南但農業調査
朝来農業改良普及センター
と現地調査・意見交換合 恒例行事です。
今年の調査先は①オリックス農業㈱で完全人口型植物工場の取り組み、②Mill Lerf農場での新規就農・有機野菜栽培への取り組み、③普及事業説明と意見交換です。
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一日3000株のレタス
一日3000株のレタスを生産出荷するオリックス農業㈱の大屋植物工場、進出4年目で経営収支は計画通りかそれ以上の好成績です。市価178円で販売される4種類のレタスは、室温、水温の完全コントロール下にあり、市場や卸を通さない直接販売で365日同じ品質で欠品無くコープや日琉グループスーパーのトランスファーセンターに届けられる。
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製造上のポイント
栽培溶液と光のコントロール、次いで室温とのこと。理論的には完全コントロールされ、その気になれば高栄養、機能性レタスも生産可能とか。やはり ~光、水、空気~
種まき、育成、成長、集荷、選別、梱包、出荷の作業工程がほぼ完全にコントロールされているので経営上の計画は立てやすい。
味ですが、旬の露地ものがやはり旨いとのこと、しかし本当に美味しい時期はそんな長くない。最高の露地ものに比べ80%の出来栄えを通年で維持することにこそ意味がある。
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作業コントロール
この工場では20名が働いているが、工場長以外は地元採用で農業高校出身の新卒者も2名がいる。また多くのパート社員は、幼児を抱えるお母さん方や、他の職種経験豊富なリタイヤ者です。工業製品を創るごとく安定生産販売が確立しているので、作業工程も自由に分割・統合が可能となっている。つまりパートの働きたい時間帯や時間長で働けるのです。
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課題
販売上では運賃、人事管理的にはコントロールできたが故の単純マニュアル化作業に面白みがあるかどうか?
関西圏の食品スーパーへの搬入は工場チャーターのトラック、スーパー側チャーターの各店舗配送トラックの空きを活用できるが、遠距離では、混載による積み替えが発生し結果、運賃が高くなります。
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投資と回収
初回投資の補助は公金が40%、現在ほぼ100%可動で順調に減価償却、利益計上ができている。しかし・・・・
修繕・蛍光灯や設備の更新時期では減収が予想される。また事業拡張は更に遠距離配送が必要となる。
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今後の展開
私がコメントすることではありませんが・・・・
自然界の影響をほとんど受けない工場での農業は、一年サイクルの食物の成長過程でのデータの取り込みが簡単で、特に40日で出荷可能となる軟弱葉野菜では、一年でほぼ完全な商品足り得る野菜作りが完成する。契約販売が継続すればビジネスモデルとなる。 しかしコントロールできるがゆえにその作業は単調なものになる( ファーストフードやコンビニの作業マニュアルから接客を引いたもの)
パートなら良いが、本職としては少し退屈との意見も出てくるかもしれない。
オランダ型ハウス農業や完全露地農業への進出されるようで、農業経営の幅がさらに広がる。また人間が働くという面白さからも作業内容が変わることは意味大きい。
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物流コスト削減のたには、トラックの積載率を上げることが必要だが、そのためには品種を増やす、多くの栽培農場との連携による供給体制を整備することが重要になります。コーディネイトするのは誰なのか?